226 「お客さまの声」を活かす(その1)

さて、あなたは、自社のホームページで、どのコンテンツが最も重要なコンテンツだとお考えですか?

企業のホームページに掲載されるさまざまなコンテンツの中で、集客において取り分け重要な要素となるのが「お客様の声」です。

そこで、今回から2回に渡って、「お客さまの声」の効果やメリット、気をつけておくべきポイントについて解説します。

さらに第2回では「お客さまの声」コンテンツの作り方を詳細に解説します。ぜひ「お客さまの声」ページの作成、見直しの参考にしてみてください。

◆「お客さまの声」の効果について

商品の購入する際、まずは価格や機能、見た目などを比較したうえで、最終的な段階で決め手となることの多い、「お客さまの声」。

「お客さまの声」の効果は強く、サクラによる「やらせレビュー」や著名人による「ステマ」などの問題は、「お客さまの声」の効力を悪用した例といえるでしょう。

なぜ、「お客さまの声」には、それほどの力があるのでしょうか。
その理由は、行動心理学の観点からひも解くことができます。

◆「ウィンザー効果」によって生まれる信頼性

行動心理学に「ウィンザー効果」という言葉があります。
それは、直接伝えられる情報よりも、第三者から間接的に聞いた情報のほうが、信憑性・信頼性は高まる、という効果です。

例えば、どの治療院に行くか選ぶ際に、自分の友人から「あそこの先生はとても親切で、他では治らない症状を治してくれた」と、聞けば、多くの人は信頼できそうだと感じますよね。

反対に先生が自ら、「わたしは、とても親切で、地域の患者さんから頼りにされています。他の治療院では治せない症状も治せます」と宣伝されていたら、少し疑わしい印象を与えてしまうことでしょう。

「お客さまの声」を載せることには、他者の声を活用することで、自社の信頼を高める狙いがあるのです。

◆「お客さまの声」のコツ

このように「お客さまの声」とは、オマケのように作成するのではなく、集客手段として戦略をもったコンテンツとして意識しましょう。

ユーザーが自分と同じ悩みや問題を抱えている人が、その商品によってどのように問題を解消したか、具体的なストーリーを織り交ぜて伝えることが「共感」を得る大切なポイントです。

そんな「お客さまの声」コンテンツを作成するために、最低限お客さまに聞いておきたい内容は以下の5つです。

◆<お客さまに聞いておきたいこと>

  1. 自社の商品(サービス)を知る以前の状況について
  2. 何がきっかけで購入を検討するようになったのか
  3. なぜ自社商品を選んだのか
  4. 自社商品を使ってみて実際どうだったか
  5. 商品の購入前と今で変わったこと

◆こんな「お客さまの声」は逆効果

1)褒めているだけで具体性がない

割引やクーポン券と引き換えに「お客さまの声」を書いてもらうケース も少なくありません。

「安くておいしかったので、大満足でした。また来ます!」

そのような「お客さまの声」では、上記のような具体性に欠けた定型文のような文言がならびがちです。しかし、これでは意味がありません。

何がどうよかったのか、その商品によって悩みや問題がどう解消されたのか、具体的に書くことによって、はじめて共感を得られる「お客さまの声」になります。

2)悪い面の記述がすべてカットされている

お客さまの声の中には、手厳しい意見なども含まれている場合があります。
一見不利に見える意見も、ニーズの異なるユーザーの視点から見れば利点になることもあります。

不利な評価をすべてカットしてしまうより、良い評価も悪い評価もバランスよく載せた方が、信頼できる情報になります。

3)文章が整い過ぎている

お客さまに書いて頂いた原稿や文字お越ししたインタビュー内容をそのまま載せると冗長になり、わかりにくい文章になることがあります。

そうした場合、適宜、読み手に伝わりやすいように編集する必要があるでしょう。しかし、整形し過ぎてしまうと作為的な印象を与えてしまいます。お客さまの「生の声」を活かすためにも、文章を整え過ぎてしまわぬようにしましょう。

◆まとめ

今回は、「お客さまの声」の効果とコツについて、解説しました。

これまで、何となく「お客さまの声」を載せていた方は、共感と信頼を獲得し、「集客」という狙いを定めたコンテンツとして、ぜひ改善してみてはいかがでしょうか。