212 複数のサイトを使い分けるには?(前編)

今回から2週にわたって「複数サイトの使い分け」をテーマにお 話していきます。今週は前編として、複数のサイトに分けるメリットと どのように分けられるか、解説します。

◆複数のサイトを使い分ける4つのメリット

ホームページ内に目的やターゲットの異なるコンテンツが混在するよう になると、構造も次第に複雑化していきます。

それによって、ユーザーが目的のコンテンツにたどり着けず、目的を達 成しにくいサイトになることがあります。

そんな時に解決策として考えられるのが、複数サイトの使い分けです。 以下に主な4つメリットを紹介します。

1)専門性を高め、サイト全体に統一感を与えられる

複雑な1つのホームページを、企業や株主向けに情報を公開するサイト、 顧客獲得の向けに公開するサイト、いったように分ければ、それぞれの サイトに統一感が生まれ、専門性をアピールしやすくなります。

2)目的の達成率を上げられる

Webサイトごとにテーマを絞り、必要のない情報をそぎ落せば、サイト 内を回遊しやすくなり、ユーザーが必要とする情報まで的確にたどり 着けるようになります。
それによって申込みや問い合わせなど、目的を達成しやすくなります。

3)ターゲットに向けてアプローチできる

複数のホームページを開設することによって、見込み顧客は見込み顧客 向けのサイトへ、求職者は採用サイトへ、というように各ターゲットに 向けて効果的にアプローチすることができます。

4)SEO対策にも効果がある

サイトの専門性が高まれば、SEOにおいても効果があります。
例えば、中華料理を食べに行きたいユーザーにとって、中華料理も食べ られるレストランより中華料理専門店の情報の方が有益ですよね。

検索エンジンでは、ユーザーにとってより有益なサイトを上位に表示さ せる性質があるで、専門性が高まればSEOにも効果を発揮します。

◆目的に応じて、大きくは4つのサイトに分けられる

ホームページを複数化する場合、どのように分ければ良いのでしょうか?
下記にターゲット、情報、目的を整理して、大きく4つに分類しました。

1)コーポレートサイト

  • 【ターゲット】: 顧客、株主およびパートナー企業 など
  • 【求められる情報】: 企業理念、会社概要、投資家向け情報 など
  • 【目的】: 存在証明、企業イメージの向上 など

2)サービスサイト

  • 【ターゲット】: 既存顧客、見込み顧客 など
  • 【求められる情報】: 提供する商品の独自性・強み、価格や他社サービスとの違い など
  • 【目的】: 自社の商品(サービス)に興味を持たせる、問い合わせ、資料請求 など

3)採用サイト

  • 【ターゲット】: 採用希望者
  • 【求められる情報】: 募集職種、社員紹介、オフィスの様子、キャリアパス、福利厚生 など
  • 【目的】: 採用希望者への情報の発信、有望な人材の獲得 など

4)ECサイト

  • 【ターゲット】: 自社が設定したターゲット、購入希望者
  • 【求められる情報】: お得な販売情報、購入の不安を取り除く情報 など
  • 【目的】 :インターネットでの商品販売

今回は、大きく4つに分けましたが、

  • 高齢者向けのサービスはサービスサイトA
  • 子ども向けサービスはサービスサイトB

といったように目的ごとにさらにターゲットを絞ることもできます。

◆まとめ

今回は、ホームページの複数サイトで使い分けるメリットを中心に解説 しましたが、いかがでしたか?

ただし、必ずしも複数化した方が良いというわけではありません。 複数化によって、作業量が増えて対応できないようでは本末転倒ですよね。

次回(後編)は、ホームページを複数化するリスクや実際に複数サイト を運用する際のドメインやサブディレクトリの使い分けなどを解説します。

それでは次回もお楽しみに。