さて今回は「ペルソナ」についての最終回です。
最終回の今回は、消費者が物を買おうとする時の行動プロセスと「ペル ソナ」の関係についてお話をします。
少し難しい話になってしまいますが、ご参考にできそうな部分を 取り入れて見てくださいね。
◆消費者の購買行動プロセス「AISASモデル」とは?
皆さんは「AISAS(アイサス)」という言葉を、聞いたことがありますか?
この「AISAS」ですが、消費者が物を購入する際の「5つの購買行 動プロセス」の頭文字を合わせたものになります。
「AISAS」とは、消費者が物を購入する際の心理や行動の流れ を整理したもので、下記のような段階に分けられます。
A:Attention(アテンション)=注意喚起、なんだろう?と思い、
↓
I:Interest(インタレスト)=興味・関心がわき、
↓
S:Search(サーチ)=検索・比較をして、
↓
A:Action(アクション)=行動・購買をする
↓
S:Share(シェア)=感想などを拡散する
このAISASを利用すると、自社の商品やサービスの情報を発信し たい時に、行動の各段階における、効果的なアプローチ手法が 判断しやすくなります。
◆行動の段階別に、効果的なアプローチ手法がある!
下記に、一般的な、「行動の段階別 効果的なアプローチ手法」をご紹 介します。
①Attention(注意喚起)段階:各種メディアのクロス展開
注意喚起を起こす段階では、下記のようなメディアを掛け合わ せて相乗効果を生み出す方法が得策と言われています。
- テレビ×WEB動画
- プリントメディア×QRコード
- 街頭サイン×スマホ
- インターネット、モバイル広告 など
②Interest(興味・関心)段階:検索サイト対策
商品やサービスに興味がわくと、まず、検索サイトでワード検索 をする行動が多くなります。そのため、下記の手法で自社ホーム ページへの誘引を図ります。
- SEO対策
- 検索連動型(リスティング)広告
- よく見られているサイトでのバナー広告 など
③Search(検索・比較)段階:自社ホームページの充実
この段階では、自社商品と他社商品との比較・検討をしますの で、自社ホームページを下記のような施策で充実させ、自社商 品の優位性をしっかりと理解させます。
- 無料体験モニター
- プレゼントキャンペーン
- 他者のレコメンド(良い評価を掲載)
- 来店誘引
- 資料請求 など
④Action(行動・購買)段階:クロージング+次回購入対策
すでに自社商品購入を決定し、実店舗やECサイトで実際に購入 する段階は、しっかりとしたクロージングを行うほか、下記の ような対策も行います。
- ついで買いのお奨め
- 次回来店誘引施策(割引券など)
- ご紹介促進 など
⑤Share(拡散)段階
ブログや比較サイトなどにおける情報共有のこの段階では、購 入者や利用者の良い評価や、「いいね」を集め、拡散する対策 を行います。
- 購入者に「いいね!」依頼
- フォロワーが多いインフルエンサーによる良い評価の拡 散
- ファンコミュニティの活性化 など
◆「ペルソナ」別にAISASを整理すると、効果的なアプローチができる!
AISASで整理すると、「なるほど!」と納得された方も多いのでは?皆 さんが普段行っている活動を、この行動プロセスの段階別に整理してみ ると、より効果が出そうです。
また、ここで「ペルソナ」の登場ですが、自社で決めた対象人物の「ペ ルソナ」を、このAISASモデルに当てはめてみましょう。
例えば、下記のペルソナ(Aさん)の場合を考えてみます。
【ある会社のペルソナ:Aさん】
- 35歳男性、北海道出身
- ゲームに夢中
- 恋愛には積極的ではない草食系
- 大学は工学部出身
- 学生時代にアルバイトをしていたIT企業に就職
- 会社では、システム関連の部署でチームリーダーを務める
- 趣味はネットサーフィン
- よく使うSNSはFacebookとTwitter
- amazonや楽天市場の利用が多い
彼が、最新のゲームソフトを買う場合、どのようなアプローチをすると 良いでしょうか。AISASにそれぞれ当てはめると、下記のようになります。
【Aさんへのアプローチ例】
①Attention(注意喚起)段階
-
- Facebook上でWEB動画を流す
- 駅貼りや車内吊り広告×スマホ連動広告
- ゲーム専門誌に自社ホームページへ誘引するQRコード掲載
②Interest(興味・関心)段階
-
- 「ゲーム」などの検索連動型広告
- amazonや楽天サイトでのバナー広告
③Search(検索・比較)段階
-
- 自社HP無料体験モニター募集
- 他者の良い評価を大量に配信
④Action(行動・購買)段階
-
- 期間限定OFFクーポン配布
⑤Share(拡散)段階
-
- amazonや楽天サイトで「いいね」をくれたらポイント還元
いかがですか?
このように、「ペルソナ」を決めておくと、消費者の購買行動に合わせ た最適なアプローチを、簡単に判断できるようになります。
また、「ペルソナ」は、複数設定することも可能なので、「ペルソナ」 ごとにAISASを整理すると、より多くのお客様に的確なアプローチがで きるようになるので、ぜひお試しくださいね。