さて弊社では、「ホームページのコンテンツ作りに苦労している」とい うご相談をよくいただきます。
コンテンツ作りのコツはいくつかありますが、セールスライティングの 考え方に、コンテンツを作るときのヒントがたくさんあります。
そこで、今回は「セールスライティングの3大原則」についてご紹介しましょう。
◆セールスライティングとは?
最初に、簡単にセールスライティングについて復習をしておきます。
セールスライティングと普通の文章とでは、何が違うのでしょうか。
ひとことで言うと、セールスライティングとは、その名の通り「セール ス=販売」のために書く文章のことです。
また、商品を買ってもらうだけでなく、「会員になってもらう」「見積 もりを依頼してもらう」「問い合わせてもらう」など、お客さんの行動 につながるような文章もセールスライティングといえます。
つまり、セールスライティングとは、お客さんに何かしらの行動を促す ための文章のことです。
◆ホームページにおけるセールスライティングの効果
それでは、ホームページの役割はなんでしょうか。
自社の商品・サービスについてより多くの人に知ってもらい、興味を持 ってもらって、最終的には購入してもらうことがホームページの役割の 1つです。
つまり、セールスライティングの考え方は、ホームページを作る上でと ても役に立ちます。
消費者心理を知り、文章にうまく取り入れることで、より行動につなが りやすいコンテンツを作ることが可能です。
◆販売の3大原則とは?
ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)の第一人者である マイケル・マスターソンが、マーケティングを実践する中で導き出した のが「販売の3大原則」です。
DRMとは、何らかの返答アクションをお客さんに起こしてもらうこと を目的としたマーケティング手法を指します。
さて、販売の3大原則とは、以下の3つです。
- 人は、売りつけられることを嫌う
- 人は、合理的理由でなく、感情的理由で買う
- 人は、買った後に、自分の感情的意思決定を理屈で正当化 しようとする
この1~3は、消費者がものを買うときの心理状態の変化を表していま す。
この心理状態の変化、販売の3大原則に沿って文章を組み立てることで、 お客様の心に届くコンテンツを作ることができます。
それでは次から、1~3について詳しい説明をしていきましょう。
◆1.人は、売りつけられることを嫌う
ある商品を買おうと入った店で、店員があれこれと商品を勧めてくるの で、目的の品も買わずに帰ってしまった、
という経験はありませんか。 人は誰も、無理に売り込まれるのは好きではありません。 売り込まれるのが嫌いなのは、お金を使いたくないからでしょうか?
買い物でストレス発散をすることもあるので、そういう訳ではないよう です。
不思議なことに、人は売り込まれるのを嫌がる一方で、消費をすること は好きな傾向にあります。
つまり、自分に主導権がある状態で「買う」選択をしたいのです。
ですからセールスライティングでは、こちらから「買ってください」と 言うのではなく、あくまでも紹介や提案という形で留めておくのがコツ。
お客様自身が「欲しい」と感じて選ぶという行為が大切です。
◆2.人は、合理的理由でなく、感情的理由で買う
それでは、どうやったら「欲しい」と思ってもらえるのでしょうか。
人の心には、「買いたい」「欲しい」と感じるスイッチがあります。
このスイッチは、合理的な判断というよりも、もっと感覚的な直感によ って押されます。
たとえば、こんなケースが挙げられます。
- ふいにカレーの匂いがして、無性にカレーが食べたくなった
- 友人の新車を見て、自分も新しい車が欲しくなってしまった
- 好きな芸能人がつけていたものと同じアクセサリーを買った
こうした欲求は、理屈ではありません。
それでは、この消費者心理をセールスライティングに取り入れてみまし ょう。
その商品を買ったとき、あるいは使用したときに、どういう状態になる かを文章によってイメージしてもらうのです。
商品のスペックを伝えるのではなく、商品を使うことによって得られる 「イイコト」を伝えます。
たとえば、「この商品があると、家事の手間がはぶける」「この商品は 家族みんなで使えるから、家庭の笑顔が増える」「この商品があると、 早起きができるようになる」という具合です。
他にも、スイッチが入りやすい感情の一例を挙げておきます。
- 不安から逃れられる
- 悩みが解決する
- 楽ができる
- 得をする
- 自信を持てる
- 自慢できる
ぜひ参考にしてみてください。
◆3.人は、買った後に、理屈で正当化しようとする
さて、ここまででお客様に「欲しい」という思いを感じてもらいました。
それでは最後に「欲しい」という感情から「買う」という行動につなげ る文章を考えていきましょう。
「この商品を使ってみたいなあ」「家にあったら素敵だなあ」などとい くら思っても、中には消費をすることに罪悪感を感じる人もいます。
そういう人は、頭の中で「でも」と買わない理由を挙げていきます。
そこで、最後に、その商品がどれだけ素晴らしいかを具体的に伝えるの です。
たとえば、どんな素材を使っているのか。どういう技術で作られている のか。どれほどの歴史があるのか。またはどれほど新しい理論に基づい ているのかなどです。
数値による比較や、論文の引用など、客観的なデータがあるとなおさら 伝わりやすくなります。
販売の3大原則によれば「欲しいと思った商品がこれほどいいものなの だから、欲しいと思った自分は正しかった」という心理が働くのです。
これによって、お客様は自分の「買う行為、消費する行為」を肯定する ことができ、高い購買行動につながります。
◆販売の3大原則まとめ
以上、販売の3大原則と、それをセールスライティングに取り入れる方 法をご紹介しました。
様々なホームページを見ていると、「こんな機能があります」「こんな 製法を使っています」と、ただ商品の機能・スペック紹介だけで終わっ てしまっていることがあります。
せっかくいい商品でも、伝わらないのはもったいないです。
同じ商品について紹介するにしても、文章の構成を工夫することで、売 り上げにつながりやすくなります。
また、チラシなどの紙媒体や店頭での接客でも、販売の3大原則を取り 入れられるので、ぜひできるところから試してみてください(^^)。