以上で述べた費用以外にも、場合により以下のような費用がかかりますので、事前に見積りを手に入れるようにしましょう。
a)コンサルティング費用
ホームページを初めて作る場合や、今までのホームページが役に立たなくてリニューアルしたい場合は、ネットに詳しいコンサルタントと相談しながらホームページを作った方が良いと思います。
マーケティング的な観点やSEO(検索エンジン対策)的な観点を工夫しないと、ホームページで反応をあげることはできません。できれば経験豊富なコンサルタントのアドバイスを受けながら、ホームページを作成したいところです。
一般に、初期費用に含まれているコンサルティングの内容やレベルは、制作会社ごとに異なります。
よくあるのが、窓口の営業担当がコンサルティングと称してお客さんにアドバイスを行うケース。自社の顧客をホームページで開拓していない制作会社では、こうした体制をとることが多いようです。
別に営業マンがコンサルティングするのが悪いわけではありません。でも自社のお客さんをネットで開拓していない制作会社の営業マンですから、どうしてもコンサルティングの内容が表面的なものになりがちです。そしてそのようなアドバイスで作ったホームページが役に立つのか、ぜひご自身で判断してみてください。
いずれにしても、優秀なコンサルタントのアドバイスなしにホームページで成果をあげるのは難しいと思いますので、追加費用がかかってもコンサルティングサービスを利用することをおすすめします。
b)オリジナルデザインの費用
「CMSで作ったホームページ」のデザインテーマに満足できない場合、御社専用のデザインを用意してもらう必要があります。
追加の費用が必要になりますが、もし気に入ったデザインがない場合は、オリジナルのデザインをお願いするのも良いでしょう。
ただしオリジナルデザインを作った場合、後日デザインを変更したいときに、あらためて追加の費用がかかりますので注意しましょう。
c)文書作成の代行費用
ホームページに掲載する文書は自分で用意するのが一般的ですが、プロのライターが文書作成を代行してくれるサービスがあります。
もし、忙しくて文書を書く時間がないとか、文書に自信がないという場合は、こうした文書作成代行のサービスを利用するのもよいでしょう。
ただし、実力のあるライターにお願いすると、1ページあたり4~5万円の費用が必要になりますから、それなりの出費は覚悟しておきましょう。
ただホームページで反応のとれる文書を書くのは、決して難しいことではありません。弊社のお客さんの中にも、文書が苦手だと言いながらも、素晴らしい成果をあげている方がたくさんいらっしゃいますので、別にプロのライターに頼まなくても大丈夫だと思います。
なお、制作会社によっては、文書のひな形を用意してくれる場合もあります。この場合は、ひな形を元に自分で文書を作成できるので、イメージがつかみやすいと思います。
d)SEOの費用
ホームページをYahoo!やGoogleの検索結果で上位表示するためには、SEO(検索エンジン対策)を行う必要があります。
SEOの方針を考えてくれる「SEOコンサルティング」や、各種の設定作業を代行してくれる「SEO設定代行」といったサービスです。
難しいキーワードの場合は上位表示するのに毎月50万円以上かかる場合もありますが、普通のキーワードであればそこまで高額ではありません。
残念ながらホームページを作っても、充分なノウハウがないと上位表示されないのが今のネットの現実。こうしたSEO支援のサービスを利用するのもおすすめです。
e)電話での問合せサービス
ホームページを自分で更新しようとすると、いろいろな形でサポートセンターのお世話になります。一般的にサポートセンターが提供しているサポートの範囲としては、大きく下記の5つがあります。
①電話による問合せ(操作、事務手続き等)
②メールやフォーム経由の操作の問合せ(同上)
③オンラインマニュアルの提供
④紙マニュアルの提供
⑤管理画面の操作研修
月額費用の中で、上記のサポート範囲の中でどこまで対応してくれるかは、各社まちまち。月額費用が安いサービスは、②と③だけにサポート範囲を絞り込んでいる場合が多いようです。
サポートコスト削減のため、手間のかかる電話問合せは極力受けたくない、というのがCMS会社の本音。そのため問合せを、「電子メール」か「問合せフォーム」に限っているサービスが多いのです。
でも電話で質問したら5分で終わる質問が、メールのやり取りを重ねると一週間たっても解決しないことも決して珍しくありません。CMSを作る際には、いろいろとわからないことが出てきます。その度に、メールでやり取りしていては、忙しい経営者としては大変。
もちろんPCやインターネットに詳しい人なら、それでも問題ないと思いますが、あまりネットに詳しくない場合や、社内にインターネットに詳しい人がいない場合は、①の電話問合せができるサービスの方が安心です。
「自分で更新できる」のがCMSで作ったホームページの最大のメリットですが、そのためには「何かわからないことがあったときに、気軽に教えてくれる」存在が不可欠。CMSサービスを利用する場合は、必ず「電話で相談できる」サービスを選びましょう。
ただし、電話問合せの回数制限を設けている場合もありますので、その点は確認しておいた方がよいでしょう。
それから、パソコンで見る「オンライン・マニュアル」を提供している会社は多いのですが、できれば「紙のマニュアル」も利用したいところ。
紙のマニュアルなら、パソコンを操作しながら手元に置いて見ることができるので、パソコンにそれほど自信がない人でも安心です。紙マニュアルを提供しているCMSベンダーはあまり多くありませんが、できれば事前に確認しておきましょう。
⑤の操作研修は、CMSの更新方法を教えてくれる研修です。パソコンが苦手でCMSの操作に自信がない人は、こうした操作研修で基本的な操作を学べると安心です。
ただ、CMSベンダーで操作研修を提供してくれる会社はあまり多くありません。もしあなたがご検討中の会社がこういう研修を提供しているのであれば、受講してみるのも良いと思います。
f)スマホサイトの作成費用
近年、スマートフォンでホームページを閲覧するお客さんが急増しています。こうしたお客さん向けには専用のスマホサイトを用意するのがおすすめ。
CMSの多くが、スマホサイトを簡単に作成できるオプションを用意していますので、ぜひスマホサイトもあわせて用意しておきましょう。
ただ、スマホサイトの更新費用が別途必要になる場合もありますので、こちらも確認しておいた方が良いでしょう。
最初は必要ないとお考えかもしれませんが、後日必要になったときにすぐに追加できるように、スマホサイトが自動作成されるサービスを選んでおきましょう。
g)CMS活用ノウハウを提供してくれるか?
CMSで作ったホームページを立ち上げてビジネスに活用するには、様々なノウハウが必要とされます。できれば、こうしたノウハウを継続的に提供してくれるサービスを選びましょう。
たとえば、「SEO(検索エンジン対策)のポイント」「反応のとれるサイト作りの秘訣」「ソーシャルメディア等のネットの新技術」等々、企業ホームページとしてCMSを利用するためには、様々なノウハウを身につける必要があります。
ホームページというのは作れば終わりというわけではなく、「早く小さく始めて、大きく育てる」ことが成功の秘訣です。そして大きく育てるためには、御社のレベルに合わせて様々なノウハウを蓄積していくことが大切になってきます。
したがって、できれば継続的に「ネット活用のノウハウ」を提供してくれるサービスを選びましょう。作れば終わりというサービスではなく、継続的にノウハウを提供してくれるサービスのほうが、御社ホームページの成長を大きく後押ししてくれます。
h)ホームページの更新はどこまでできるか
自分で更新できるのが「CMSで作ったホームページ」の魅力ですから、実際に自分でどこまで更新できるかが、一番重要なポイントになります。
「自分で更新できる」とうたっていても、実際に更新できるのは一部のページだけだったり、ページの追加が有料で別途費用が必要なサービスもあります。
また、デザインの変更ができなかったり、変更するのに追加費用がかかるサービスも少なくありません。
ホームページが完成した後、自分で更新・変更する可能性がある項目として次のような項目があげられますので、事前にこうしたことができるか確認しておきましょう。
・ページ内の文書を変更できるか
一部の文書だけではなく、すべてのページの、すべての文書が変更・追加できることが望ましい。
・各ページに配置された、各種の写真や画像を変更できるか
スタッフの写真を入れ替えたり、誘導バナーを変更したりする可能性は高い。
・ページを増やしたくなったときに、簡単にページを追加できるか
またページを隠したくなったときに、簡単に削除したり、一時的に見えなくすることができるか。
・メニューの変更が簡単にできるか
ページの追加や削除、あるいは誘導したいコンテンツが変わったときに、メニューを増やしたり、順番の変更する必要がある。ヘッダー、サイド、フッターの各メニューで簡単にできることが望ましい。
・デザインの変更が簡単にできるか
デザインを変更したくなったときに、ホームページのカラー、メニューのデザイン等を、簡単に変更することができるか。
・フォーム(資料請求フォーム等)を修正したり、追加したりできるか
入力項目を変更したり、新しくアンケート項目を追加したりできるか。
・スマホサイトのページを、簡単に更新することができるか
スマホサイトについても同様に自分で更新できるのか。
実際にCMSをどこまで変更できるかは、各サービスベンダーの提供機能次第です。どこまで自分で更新できるのか、事前に確認するようにしておきましょう。