皆さんは、ホームページを作ってから数年経った方、今月公開したばかりの方などさまざまだと思いますが、ホームページ公開当初に、こんなことはなかったでしょうか。
● ホームページを公開直後、狙ったキーワードで検索してみたら、2位に表示されていた
● しかししばらくたって検索してみると、まったく検索結果に表示されなくなった
● ところがその後また表示されるようになり、今は10~15 位くらいで推移している
実は、こうした現象は決して珍しいことではなく、むしろよくあること。Googleの検索品質を管理している責任者も、その事実をはっきりと認めています。
とはいえ、ご自身のホームページの順位が上がったり下がったりすると、心穏やかではいられないのが人情というもの。そこで、こちらのページではなぜこうしたことが起きてしまうのか、そしてそうなったときの心構えについて、詳しくお話しします。
◆検索エンジンが順位を表示する仕組
ここで少し、検索エンジンが検索結果を表示する仕組みについて簡単におさらいしてみましょう。
世界中には何億というホームページがありますが、Google などの検索エンジンは、検索ロボット(クローラー、スパイダーなどとも言います)というプログラムを使って、世界中のホームページを日々巡回し、収集しています。
そして、その収集したホームページを蓄積しておくのが「インデックス」というデータベースです。検索エンジンに登録されることを「インデックスされる」などと言ったりもしますが、インデックスされなければ、検索エンジンの検索結果に表示されることはありません。
何億という中から、検索エンジンがあなたのホームページを見つけ出すのは不思議といえば不思議ですが、どこかからリンクが張られていれば必ず見つけてくれるのです。
さてここまでで、インデックスに登録されて検索結果に表示される準備ができました。
ここで誰かが検索をすると、インデックスに蓄積された情報の中から、検索アルゴリズム(検索結果の表示順を決めるためのプログラム)にしたがって情報を解析し、検索結果に表示されます。
検索アルゴリズムは、Google の場合で200以上もの要素が組み合わさったとても複雑なもの。とても人間にはその結果を予測することはできません。SEOとは、そのような複雑なアルゴリズムから少しでも高い評価を得られるよう、ホームページをブラッシュアップしていくこと、とも言えます。
◆評価が定まるには時間がかかる
さて、こうして検索エンジンの検索結果に、晴れてあなたのホームページが表示されたわけですが、その検索順位が、公開からしばらくの間は不安定であるというのが今回のお話です。
結論から申し上げると、そのような検索順位の変動が起こるのは、ごく簡単に言えば、検索エンジンが「そのページを正しく評価するまでに時間がかかる」からです。
検索エンジンがあなたのホームページを発見してインデックスした段階では、まだあなたのホームページについての情報が少ない状態。その中で、いわば「取り急ぎ」最も信頼できる情報により推測した結果に基づいて検索結果に表示させるため、中には上位表示されるコンテンツもあるというわけです。
たとえば、最も信頼できる推測材料としては、Google の著者情報が考えられます。公開から日が浅くコンテンツはまだ未完成でも、すでに著者としてGoogleが認識している人が作成したものなら、とりあえずは、少なくとも悪いものではないだろう、という推測です。
ただ、やはり時間の経過とともにコンテンツの充実が図られなければ、次第に順位を落としていくことになるでしょう。
Googleの検索品質管理責任者は、
「もともとはどこが発信源なのか、誰が発信者なのかを突き止めるのに数時間、数日、数週間かかるかもしれません。数分、数時間では困難なことがあります」
と述べています。
つまり、公開後すぐの上位表示は、本来のものではないと考えたほうがよさそうです。もちろん、キーワードや業種などによっては、そのまま上位表示を続けることもありますし、最初から上がらないこともあります。ただ、そうしたことはレアケースといえ、基本的には、しばらくの間、冷静にウォッチしていく必要があるでしょう。
Googleによる著者情報プログラムの廃止について
2014年8月をもって、Googleは著者情報プログラムを廃止したと発表いたしました。現在、どのように活用しているのかは不明となっております。
◆公開当初に必要なのは「辛抱強さ」
では、こうした「検索順位が不安定な時期」に何をしたらよいかというと、いつもお話しているように「コンテンツを充実させる」ことにつきます。
ホームページを公開してから定期的に記事を増やしていった場合、順位が安定する時期は、だいたい公開から3~4ヵ月目くらいです。筆者自身の経験でも、目に見えた順位の変化やアクセス数の変化は、このくらいの時期によく表れます。それまでの間、地道な更新作業を辛抱強く続けていけるか、これが勝負の分かれ目です。
あらかじめきちんと計画性を持って立ち上げたホームページであれば、その時点ですでに方向性や、やるべきことが具体的に決まっていますので、あとはその方針に沿って進めるのみです。
たとえば弊社サービスでも、制作時のコンサルティングが付いたサービスで作成いただいた場合、すでにホームページの方針やSEO についてはコンサルタントがご提案していますから、あとは「ひたすら中身を作っていく」ということになるわけです。
ところが、ホームページ公開後も記事を増やさずに少ないページ数のままだったり、空ページ(文書や写真が何も入っていないページ)が多いままにしていたりすると、当初は順位が上がっても、やがて下がります。そして、順位が下がったまま上がってこなくなる可能性があります。
ですから、SEOで成果を出せるかどうかは、検索順位が安定するまでの3~4ヵ月間に、どこまできちんとしたコンテンツを用意できるか、そこにかかっています。もちろん、あくまでも標準的な話であって、実際には自社のホームページだけでなく競合ホームページの強さなどといった要因も関係してくるでしょう。
とはいえ一般的には、アクセス者にとって役に立つオリジナルのコンテンツを、定期的に(最低でも一週間に1回以上)増やしていくべきです。
◆自分を信じて継続あるのみ
ただ、「記事を増やしましょう」とよくアドバイスさせていただきますが、実際、記事を増やすのは大変なことですよね。目に見えた成果が出てこないと、今やっていることは本当に正しいのだろうか、いつか本当に成果につながるのだろうか、といった疑念や不安にかられることも少なくないでしょう。
しかし、ここで覚悟を決め、自分を信じて継続することこそが、成果につながる一番の近道。巷でささやかれる雑多な情報に振り回されることなく、着実な方法を実践していくことをおすすめします。
もちろん、このような成果は、ホームページで何がしたいのか、SEOはどうするのか、という方向性や方針がきちんと決められていてはじめて得られるものです。そうしたものがなかったり、間違っていたりしたら、どうにもなりません。
そして検索順位が安定してきたところではじめて、コンテンツやキーワードの見直し、といったところに着手することができます。
それまでは、ぜひ辛抱強く、アクセス者の役に立つことを念頭に、地道にコンテンツを整えていくことに注力してくださいね。