新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、インターネット環境を活用したテレワークが急速に拡がっています。大手企業でも次々と在宅勤務の推進を公表しています。
会社には出社せず、離れた場所で勤務するテレワーク。
今回、初めて経験したという方も大勢いらっしゃるようです。
一方で、自社の環境を考慮し、導入を悩まれている方も多いのではないでしょうか。そこで、本日は改めてテレワーク導入のメリットと課題を解説していきます。
◆テレワークという働き方とそのメリット
従来の勤務形態ともっとも違う点は、会社には出社しないという点です。
総務省の定義では、「ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と書かれています。
テレワークには、「在宅勤務」、外出先での「モバイル勤務」(移動中やカフェなど)、会社以外のオフィススペースでの「サテライト勤務」の3つがありますが、現在急速に拡がっているのは「在宅勤務」です。
新型コロナウイルスとの関連においては、通勤ラッシュやオフィスなどでの濃厚接触を避けられ、通勤の手間がなくなることが導入の大きなメリットといえます。
また緊急時に自宅待機となり業務をストップさせることなく、続行できるので、社員のモチベーション維持にも繋がります。さらに感染の不安を和らげる効果もあります。
その他のメリットでは、移動中なども仕事ができるため効率的に業務を遂行できる点、また妊娠や育児、介護などで出社が難しくなった人材も継続して働くことができるため、新たな人材確保の必要がない、などがあげられます。
◆テレワークの効果の調査結果
実際にテレワークを導入した企業の効果に目を向けてみましょう。
平成29年の6月に発表された「平成28年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業と、していない企業では大きな隔たりがあることが明らかになっています。
テレワークを導入していない企業の「労働生産性」が599万円であるのに対して、導入している企業では957万円と、実に1.6倍も高い生産性が認められたのです。
また実際にテレワークを行った企業に対するアンケート調査では、24.5%が「非常に効果があった」と回答。「ある程度効果があった」と回答した57.3%と合わせると、8割以上が効果があったと回答しています。
テレワークを導入した結果、多くの企業で効果をあげていることがわかります。
◆テレワーク導入の課題
テレワークは、どの企業でもすぐに簡単に導入できるわけではありません。
勤務環境や業務内容によってはテレワークに対応ができないものもあります。
- 主な課題は、
- テレワークに適した仕事がない
- 社内コミュニケーションに不安がある
- 顧客等外部対応に支障がある
- 情報漏洩(セキュリティ)が心配
- 適切な労務管理が困難 など
現在テレワークの導入を検討されている方は、これらの課題を解消できるかを踏まえて決定しましょう。
◆テレワーク時のセキュリティ対策
コロナウイルスの感染拡大のために急遽テレワークを導入した企業ではセキュリティ対策が、不十分である企業も多いようです。
テレワークでは、メールでのやり取りも増えるため、フィッシング詐欺やビジネスメール詐欺、マルウェアに感染させる攻撃メールには特に注意が必要です。
総務省がテレワーク時のセキュリティ対策をまとめた資料を公開していすので、ぜひ一度目を通しておくとよいでしょう。
▼【総務省】テレワークセキュリティガイドライン第4版 https://www.soumu.go.jp/main_content/000545372.pdf
◆まとめ
今回は、新型コロナウイルスの感染拡大にともなって急速に導入が増えているテレワークのメリットと課題を説明しました。