227 「お客さまの声」を活かす(その2)

さて、前回は「お客さまの声」の効果やメリットについて解説しましたが、今週は引き続き「お客さまの声」コンテンツの作成方法についてお話します。

◆「お客さまの声」を聞き取る2つの方法

「お客さまの声」を聞き取る方法は、アンケート方式とインタビュー方式のふたつに大別できます。

1.アンケート方式

  1. 手書きの「アンケート用紙」に記入→テキストを中心に構成
  2. インターネットの「入力フォーム」に入力→テキストを中心に構成

2.インタビュー方式

  1. 録音した音声素材をもとに、テキストと写真で編集
  2. 撮影した動画素材を編集し、動画コンテンツを作成

1.アンケート方式

1)手書きの「アンケート用紙」の場合

手書きのアンケート用紙の場合、特に気を付けておきたいのが、質問内容です。「ご自由にお書きください」という自由回答形式では、「とても良かったです」などの様な、お決まりの内容になりがちです。

集客に役立つ回答を求めているのであれば、前回ご紹介した5つの質問をベースに、質問事項を決め、具体的な回答を得られるアンケート用紙を作成しましょう。

また、店頭にアンケート用紙を置いているだけでは、「お客さまの声」は思うように集まりません。効率的に収集するには、店頭でさりげなく頼んだり、プレゼントやクーポン券を付与して回収率を上げましょう。

2)インターネットの「入力フォーム」の場合

入力フォームの場合も、手書きと比べて大きな違いはありません。入力フォームのURLをメールで送信したり、QRコードを提示して、質問に回答してもらいましょう。
この際、注意しておきたいポイントが3つあります。

質問は3~5程度に絞る

多数の質問が並んでいると、それだけで回答する気持ちを萎えさせてしまいます。質問は多過ぎず、少な過ぎないよう注意しましょう。

「Yes or No」や「〇か×」方式はNG

選択式の回答では、顧客の具体的な感想を聞くことができません。
問いに対して具体的な内容を回答してもらうためには、十分な回答スペースを用意した入力フォームを用意しましょう。

お客さまの情報を掲載し、信頼性を高める

「お客さまの声」は、本物のお客さまの声かどうか、疑いの目を向けられがちです。名前、性別、年齢、顔写真を掲載すれば、説得感も増し、信頼性を高めることができます。

2.インタビュー形式

回答用紙や入力フォームに書き込むアンケート形式と違い、インタビュー形式では最適な対象者を選定し、取材します。
インタビュー内容を録音や録画し、コンテンツとして仕上げていきます。

1)共感を得られる最適なインタビュー対象者を選ぶ

インタビュー対象者は、お客さんであれば誰でも良いわけではありません。
自社の商品で課題や悩みを解決させた経験のある象徴的なユーザーであれば、視聴者の共感も得やすいでしょう。

2)ヒアリングシートを作成する

コンテンツの方向性を想定し、質問内容を用意しておきます。
また取材時にどのような写真や動画の撮影が必要なのか、併せて書き出しておき、聞き漏れや撮り忘れがないように準備しておきましょう。

3)取材を実施する

撮影する場合は、撮影に相応しい取材場所を選定しましょう。
「録画(録音)します!」といった開始の声掛けは、インタビュー慣れしていない相手を緊張させてしまうため、不要です。
雑談から始め、自然な流れで本題に入るようにすれば、リラックスした状態でスムーズに回答を得られるでしょう。

4)コンテンツを作成して公開する

テキストによるコンテンツの場合は、録音した素材を文字に起こします。
必要に応じて順番を入れ替え、小見出しを付けて、読みやすい構成に整えましょう。
出来上がった原稿はインタビュー対象者に最終確認してもらい、公開します。必要に応じて適宜修正しましょう。

動画コンテンツの場合は、動画ならではの表現を加味しましょう。
対象者が淡々と話すだけの映像では、見る人も飽きてしまいます。

インタビューを受けている動画だけでなく、実際に商品を使っている様子の動画を挟むなど、テキストだけでは伝えにくい情報を意識的に加えることでより効果的なコンテンツとなります。

◆まとめ

2回にわたって、「お客さまの声」コンテンツの効果や作成方法についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?

「お客さまの声」を作成するうえで、いちばん重要なポイントは「共感」です。見込み客がちゃんと「共感」できる内容を提示すれば、これまでに以上に効果を発揮することでしょう。ぜひ参考にして「お客さまの声」を作成してみてくださいね。