092 セールスライティングの3大原則

さて弊社では、「ホームページのコンテンツ作りに苦労している」とい うご相談をよくいただきます。

コンテンツ作りのコツはいくつかありますが、セールスライティングの 考え方に、コンテンツを作るときのヒントがたくさんあります。

そこで、今回は「セールスライティングの3大原則」についてご紹介しましょう。

◆セールスライティングとは?

最初に、簡単にセールスライティングについて復習をしておきます。

セールスライティングと普通の文章とでは、何が違うのでしょうか。

ひとことで言うと、セールスライティングとは、その名の通り「セール ス=販売」のために書く文章のことです。

また、商品を買ってもらうだけでなく、「会員になってもらう」「見積 もりを依頼してもらう」「問い合わせてもらう」など、お客さんの行動 につながるような文章もセールスライティングといえます。

つまり、セールスライティングとは、お客さんに何かしらの行動を促す ための文章のことです。

◆ホームページにおけるセールスライティングの効果

それでは、ホームページの役割はなんでしょうか。

自社の商品・サービスについてより多くの人に知ってもらい、興味を持 ってもらって、最終的には購入してもらうことがホームページの役割の 1つです。

つまり、セールスライティングの考え方は、ホームページを作る上でと ても役に立ちます。

消費者心理を知り、文章にうまく取り入れることで、より行動につなが りやすいコンテンツを作ることが可能です。

◆販売の3大原則とは?

ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)の第一人者である マイケル・マスターソンが、マーケティングを実践する中で導き出した のが「販売の3大原則」です。

DRMとは、何らかの返答アクションをお客さんに起こしてもらうこと を目的としたマーケティング手法を指します。

さて、販売の3大原則とは、以下の3つです。

  1. 人は、売りつけられることを嫌う
  2. 人は、合理的理由でなく、感情的理由で買う
  3. 人は、買った後に、自分の感情的意思決定を理屈で正当化 しようとする

この1~3は、消費者がものを買うときの心理状態の変化を表していま す。

この心理状態の変化、販売の3大原則に沿って文章を組み立てることで、 お客様の心に届くコンテンツを作ることができます。

それでは次から、1~3について詳しい説明をしていきましょう。

◆1.人は、売りつけられることを嫌う

ある商品を買おうと入った店で、店員があれこれと商品を勧めてくるの で、目的の品も買わずに帰ってしまった、

という経験はありませんか。 人は誰も、無理に売り込まれるのは好きではありません。 売り込まれるのが嫌いなのは、お金を使いたくないからでしょうか?

買い物でストレス発散をすることもあるので、そういう訳ではないよう です。

不思議なことに、人は売り込まれるのを嫌がる一方で、消費をすること は好きな傾向にあります。

つまり、自分に主導権がある状態で「買う」選択をしたいのです。

ですからセールスライティングでは、こちらから「買ってください」と 言うのではなく、あくまでも紹介や提案という形で留めておくのがコツ。

お客様自身が「欲しい」と感じて選ぶという行為が大切です。

◆2.人は、合理的理由でなく、感情的理由で買う

それでは、どうやったら「欲しい」と思ってもらえるのでしょうか。

人の心には、「買いたい」「欲しい」と感じるスイッチがあります。

このスイッチは、合理的な判断というよりも、もっと感覚的な直感によ って押されます。

たとえば、こんなケースが挙げられます。

  • ふいにカレーの匂いがして、無性にカレーが食べたくなった
  • 友人の新車を見て、自分も新しい車が欲しくなってしまった
  • 好きな芸能人がつけていたものと同じアクセサリーを買った

こうした欲求は、理屈ではありません。

それでは、この消費者心理をセールスライティングに取り入れてみまし ょう。

その商品を買ったとき、あるいは使用したときに、どういう状態になる かを文章によってイメージしてもらうのです。

商品のスペックを伝えるのではなく、商品を使うことによって得られる 「イイコト」を伝えます。

たとえば、「この商品があると、家事の手間がはぶける」「この商品は 家族みんなで使えるから、家庭の笑顔が増える」「この商品があると、 早起きができるようになる」という具合です。

他にも、スイッチが入りやすい感情の一例を挙げておきます。

  • 不安から逃れられる
  • 悩みが解決する
  • 楽ができる
  • 得をする
  • 自信を持てる
  • 自慢できる

ぜひ参考にしてみてください。

◆3.人は、買った後に、理屈で正当化しようとする

さて、ここまででお客様に「欲しい」という思いを感じてもらいました。

それでは最後に「欲しい」という感情から「買う」という行動につなげ る文章を考えていきましょう。

「この商品を使ってみたいなあ」「家にあったら素敵だなあ」などとい くら思っても、中には消費をすることに罪悪感を感じる人もいます。

そういう人は、頭の中で「でも」と買わない理由を挙げていきます。

そこで、最後に、その商品がどれだけ素晴らしいかを具体的に伝えるの です。

たとえば、どんな素材を使っているのか。どういう技術で作られている のか。どれほどの歴史があるのか。またはどれほど新しい理論に基づい ているのかなどです。

数値による比較や、論文の引用など、客観的なデータがあるとなおさら 伝わりやすくなります。

販売の3大原則によれば「欲しいと思った商品がこれほどいいものなの だから、欲しいと思った自分は正しかった」という心理が働くのです。

これによって、お客様は自分の「買う行為、消費する行為」を肯定する ことができ、高い購買行動につながります。

◆販売の3大原則まとめ

以上、販売の3大原則と、それをセールスライティングに取り入れる方 法をご紹介しました。

様々なホームページを見ていると、「こんな機能があります」「こんな 製法を使っています」と、ただ商品の機能・スペック紹介だけで終わっ てしまっていることがあります。

せっかくいい商品でも、伝わらないのはもったいないです。

同じ商品について紹介するにしても、文章の構成を工夫することで、売 り上げにつながりやすくなります。

また、チラシなどの紙媒体や店頭での接客でも、販売の3大原則を取り 入れられるので、ぜひできるところから試してみてください(^^)。