さて今回は、「サービス・価格決定の6つの考え方」をご紹介する最終回です。
前回までの2回で、
- 安い買い物がしたいのではなく「よい買い物」がしたい
- 「高い」「安い」は相対的に判断される
- 高い商品を売っている企業の商品は高品質に見える
- 「高い」「安い」の判断材料は、売り手側から与える
の4つをご紹介しました。
▼その1の記事
067 サービス・価格決定の6つの考え方(その1)
▼その2の記事
067 サービス・価格決定の6つの考え方(その2)
今回は、
5.松竹梅の法則を活かす
6.価格は変わらなくても、見せ方で売れ行きは変わる
と、さらに具体的に使えるテクニックをご紹介していきます。では早速 行きましょう。
◆(5)松竹梅の法則を活かす
サービスや価格の見せ方としてよく使われるテクニックの一つに「松竹 梅の法則」があります。
人は、選択肢を3つ提示されると、一番上と一番下を選ぶことを敬遠す る心理が働きます。これが松竹梅の法則です。
おすし屋さんで「特上・上・並」という選択肢があるとき、一番売れる のは真ん中の「上」です。一番安いものはなんとなく物足りなく感じら れ、一番高いものはそこまでの贅沢は・・・と感じてしまう心理が働く からです。
みなさんも3つの選択肢から真ん中の商品を選んだことがあるのではな いでしょうか?
松竹梅の法則を活用するポイントは、
- ラインナップを3つに絞る
- 真ん中に一番売りたいサービスを持ってくる
ということです。
3択は、選ぶ満足感を与えることもでき、なおかつ、迷いすぎず決断し やすいという効果もあります。ラインナップを増やしすぎると「迷った 末に買わない」という結論になりがちです。
逆に選択肢を減らして2択にすると、今度は一番安い商品のほうが売れ るようになり、客単価が下がります。
一番上に高い商品があるからこそ、真ん中の商品をお買い得に感じる効 果が働き、真ん中の商品が売れやすくなるのです。
なお、一番上には高いなりの価値がある商品を置いてください。サービ ス内容や性能がさほど変わらないのに値段だけ高い商品を置いてしまう と、高い商品を選んでくれた良いお客さんの信頼を損ねることになりま す。
「松竹梅」で後押しをするときは、どれを選んでも、この商品を選んで よかったと思ってもらえるようにすることが大切です。
◆(6)価格は変わらなくても、見せ方で売れ行きは変わる
あまり売れ行きのよくない商品がある場合、「値下げすれば売れるか も」と、値段を下げてしまうと価格競争に巻き込まれてしまいます。
価格を変えなくても、「見せ方」で売れ行きが変わった例はたくさんあ ります。
例えば、商品のネーミングやパッケージを変えて、売れ行きが変わった 例もあります。
もともとは『缶入り煎茶』という名前だったとある商品は、ネーミング を変更してヒット商品になりました。
そう、みなさんもご存じの伊藤園『お~いお茶』です。大学生に対して 意識調査を行い、若年層にもお茶を買ってもらうために見直された名前 が大ヒットのきっかけとなったと言われています。
価格表示の見せ方によっても、売れ行きは変わってきます。
5千円で売りたい商品を単に「5千円」と表示するよりも、
定価8千円 → 売値5千円
としたほうが、心理的に安く感じられることはよく知られていますね。
また、「10,000円を9,800円にする」というように、わずかに値段を下 げて一桁少なくすることで安く感じさせる端数効果もよく使われます。
そのほかにも、「最初に高価なものを提示する」「一日あたりにすると ○円、と換算する」など、価格表示には、さまざまなテクニックがあり ます。
なお、わざと定価を吊り上げて落差を大きく見せる行為(二重価格表 示)は、不当景品類及び不当表示防止法違反となりますので、やらない ようにしましょう。
また、スーパーやコンビニなどの小売では、陳列の仕方で商品の売れ行 きが変わります。
ホームページで販売する場合も、サービス名や価格表示の方法、サービ スを紹介する順番などを工夫すると、価格を変えなくても売上を上げる ことが可能です。
以上、3回に渡り、サービスプランや価格の決定で迷ったら参考にした いポイントをご紹介してきました。
「なかなか売れない」という商品をそのままにしたり、安易に値下げで 売り切ろうとしたりするのではなく、ホームページで見せ方や商品ライ ンナップなど、試行錯誤を繰り返してみると、大きな改善につながるケ ースがあります。
【NextCms】は自社で更新ができるため、サービスプラン や価格のページも試行錯誤を繰り返してブラッシュアップできます。