ここからは、検索エンジン対策(SEO)についてご案内いたします。ホームページの目的によってどの程度のSEOを行うかは変わってくるでしょうが、SEOを行う場合、これから4ページにわたってご紹介する内容が基礎部分になります。
このページでは、検索キーワードを選定する際の考え方をご案内いたします。SEOを行う場合、一番最初に考えなければいけないことが「どのような検索キーワードを狙うのか」ということです。
検索キーワードの洗い出しが終わって初めて、具体的な検索サイト対策をスタートすることができます。
▷ ホームページのターゲット顧客を明確にして、
ターゲット顧客が検索しそうなキーワードを洗い出す
▷ 同意語も大切に
検索サイトの上位表示を狙う理由
具体的にSEOキーワードを考える前に、そもそも「検索する」という行為について、少し考えてみましょう。
あなたもインターネットを使っていると、調べ物をする時に検索サイトを利用することが多いと思います。たとえば、「ハワイ旅行」等のキーワードを入力して検索ボタンを押すと、該当するホームページがたくさん表示されます。利用者は表示された一覧を眺めて、良さそうなリンクをクリックし、そこのホームページにアクセスします。この時、表示された全てのホームページをクリックすることはなく、たいてい上位20件位までをクリックして、そのうちの良さそうなホームページで必要な情報を入手するでしょう。
このように、どんなに立派なホームページを作っても、検索サイトの上位に表示されなければ、誰も見に来てくれないということになってしまいます。
とある旅行会社のホームページが、「ハワイ旅行」と言うキーワードで検索された時に一番上に表示されるとしましょう。ハワイ旅行のツアーや飛行機の手配について情報を探しているお客さんは、まずこの旅行会社のホームページを訪ねるでしょう。当然、この会社は検索サイトからたくさんのお客さまを獲得して、商売繁盛につながります。
このようなことから、お客さまが検索した時に、自社のホームページが上位に表示されるように、皆さん検索サイトの「上位表示対策」に工夫を凝らすわけです。
SEOキーワードの選び方
ここからは、SEOのキーワードを選ぶときの流れに沿ってお話していきます。
⇓
⇓
⇓
⇓
ただし多くの場合は、上記のステップを何度か前後しながらキーワードを決めていくことになります。
それでは、STEP1~STEP4の内容を、もう少し具体的にみていきましょう。
ホームページのターゲット顧客を明確にして、
ターゲット顧客が検索しそうなキーワードを洗い出す
あなたは、検索サイトで検索する時に、どんな風に検索しますか?
たとえば、「健康食品」というキーワードをGoogleに入力すると、250万件くらい検索結果が表示されますが、それを全部クリックする人はいません。最初の何件かをクリックしてみて、その中に目的のサイトがあれば、そこで次にサイトを参照するのは止めてしまいます。
逆に10~20件くらい見て、良さそうなのがホームページが見つからなかったら、キーワードを更して新たに検索しなおすでしょう。
つまり、お客さまは自分の欲しい情報を入手するために「特定のキーワード」を入力してくるのです。
ダイエット向け健康食品を探している人を考えてみましょう。最初に「健康食品」というキーワードで検索してみて、自分の欲しい情報が見つからなかった場合、今度はキーワードを変更し、「ダイエット」+「健康食品」というキーワードで検索するかもしれません。
この場合、「ダイエット用の健康食品」を扱っている会社は、「ダイエット+健康食品」で検索結果の上位に表示されれば、「ダイエット用健康食品」を探しているお客さまを自分のホームページに誘導することができます。「アクセスして欲しいユーザーが検索しそうなキーワード」について対策を打つことにより、自社の見込み客を集客できるわけです。
しかしながら、「ダイエット用の健康食品」を扱っている会社が、「ダイエット+運動器具」の検索結果で上位に表示されてもあまり意味がありません。このキーワードだと、ダイエット用の健康マシーンを考えている人しかアクセスしないことが予想されるからです。この場合は、「アクセスしてきた人」と「御社のターゲット顧客」がずれていますから、ホームページで商品を販売するのは難しいでしょう。
よく、ページのアクセス数だけを自慢げに話す人がいますが、単にアクセスを増やすだけだったら簡単です。芸能人の名前とか、アダルト系のキーワードなどを、サイトのコンテンツに散りばめれば、直ぐにアクセスは10倍になるでしょう。
しかし、関係のない人にサイトにアクセスしてもらっても、意味はありません。つまり「アクセスを増やす」というのは、「自分が来て欲しい人のアクセスを増やす」ということなのです。
そのためには、「自分が来て欲しい人が、検索しそうなキーワード」を入力したときに、検索サイトで表示されるようにする、と考えなければいけないのです。
アクセスが多くても商売に結びつかないサイトはたくさんあります。ですからいたずらにアクセス数を追い求めるのではなく、
1.ホームページのターゲット顧客を明確にする
2.ターゲットが入力しそうな検索キーワードを洗い出す
3.その検索キーワードが入力された時に、検索結果の上位表示を目指す
というアプローチをとることが有効です。
アクセスして欲しいお客さまをまず考えて、その人達がどんなキーワードで検索するかをきちんと考えましょう。せっかく検索サイト対策を施しても、最初のキーワードの検索を選択を間違えてしまうと、全ての努力は意味がなくなってしまいますから。
(参考)キーワード検討用ツールのご紹介
関連するキーワードを一覧できるツール →『 Keyword suggestion tool 』
実際に検索されているキーワードなのか調べる
自分では「こんなキーワードで検索するだろう」と考えてみましたが、実際のところはどうなのでしょうか。自分の予想が事実と大きく外れていては意味がありませんから、洗い出したキーワードが「本当に検索されているのか?」ということを確認してみる必要があります。
事実の確認には、キーワードの検索ボリュームを調べることのできるツールを使いましょう。
以下は、Google社が計測している「1ヶ月間」のキーワードのおおよその検索件数が表示されるツールです。検索キーワード(と、その関連キーワード)で毎月実際に何回くらい検索されたか、調べることができます。ただし、少ないボリュームの場合は0件で表示されたりしますから、あくまでも参考時の目安と考えてご利用ください。
(参考)キーワード検討用ツールのご紹介
おおよその検索件数が確認できるツール →『Googleキーワードプランナー』
そのキーワードで勝てそうなのか調べる
ここまでお話したとおり、ターゲットが検索するであろう検索キーワードを選定することが大切になりますが、同時に「どれくらい競争が激しいキーワードなのか」という点も、重要な考慮点になります。
ライバルがたくさんいる「激戦区」のキーワードでは、そう簡単に上位表示されるわけではありません。
たとえば、「就業規則」というキーワードの場合、ライバルがどれ位いるのか調べてみましょう。
調べ方は簡単で、検索エンジンで「就業規則」というキーワードで検索してみます。すると、検索結果の上部に、そのキーワードを含むサイトがどれ位あるのか表示されます。
「就業規則」というキーワードを検索した時に、「2,640,000件」と表示されたとします。この場合、264万もライバルがいるわけですから、そう簡単に上位表示されるとは思えません。
そこで少しキーワードを見直して、「就業規則変更届」を調べてみましょう。すると今度は「164,000 件」と表示されたとします。だいぶライバルが減りました。
264 万件のライバルに勝つのは大変ですが、16 万件のライバルだったらそれほど大変ではありません(これらの数値は、検索の都度誤差が生じますのであくまでも目安としてお考えください)。
このように、そのキーワードに関してどれくらいライバルがいるのか、あらかじめ調べておきましょう。難易度が高すぎるのであれば、別の検索キーワードで上位表示を狙うことを考える必要があります。
参考)キーワード検討用ツールのご紹介
上位表示の難易度の目安を測れる →『SEO難易度チェックツール』
同意語も大切に
検索を行う時には、いくつかのバリエーションが考えられます。
たとえば
・社労士
・社会保険労務士
のように、正式用語と略語のパターンがあります。
また、「事務所」の言い回しを変えるケースもあり、たとえば
・「税理士事務所」と「会計事務所」
・「法律事務所」と「弁護士事務所」
という感じで、複数のキーワードが考えられるお仕事は少なくありません。
お客さんが「税理士事務所」と検索するか、「会計事務所」と検索するかによって、対策すべきキーワードが異なってくるわけです。
これらの検索ボリュームも考慮しながら、キーワードの選定をしていきましょう。
参考)キーワード検討用ツールのご紹介
類語を検索できる →「シソーラス(類語)検索」
地域キーワードの選び方
一般的には、ここまでにお話したようなプロセスを繰り返しながらキ ーワードを選んでいくわけですが、意外と 「上位表示されそうなキーワード」が見つからないケースが少なくありません。
そうした場合は、「地元のお客さんにア クセスしてもらう」ことを目指して、「地域キーワード」で対策を施してみましょう。
例として、社労士事務所のホームページを想定して、地域キーワードをどう選べば良いかについて考えてみます。
まず、あなたが社労士事務所の所長さんだったとします。そして事務所のホームページを立ち上げる場合、SEOのキーワードとして、どんなキーワードを選べば良いでしょうか。
まずはお客さんが、入力しそうなキーワードを考えましょう。
社労士先生の多くは、「就業規則」とか「労務管理」といった「業務的なキーワード」をすぐに思い浮かべると思います。しかし、得てしてこうした「業務系のキーワード」は競争が激しく、上位表示が難しいケースが少なくありません。もし業務系のキーワードでの上位表示が難しいのなら、 地域名による検索を考えましょう。
たとえば、企業の経営者が社労士の先生を探す時は、通常「近所の先生」を探します。仙台の経営者は、北海道や東京ではなく、地元の社労士事務所に仕事を依頼したいものなのです。
したがって、仙台の経営者が社労士の先生を探して検索する際には、「仙台市 + 社会保険労務士」といったキーワードを使います。ですから、仙台市の社労士の先生がSEOを考えるのなら、「仙台市 + 社会保険労務士」というキーワードで上位表示を狙いましょう。
たとえ「労務管理」というキーワードで上位表示されなかったとしても、「仙台市 + 社会保険労務士」というキーワードで上位表示されれば、お客さんを獲得できるチャンスは高いのです。
実は、「労務管理」で検索したお客さんが、検索結果の上位に表示された事務所に、そのままお仕事を頼むとは限りません。というのは、士業の場合、たとえ検索エンジンの上位に表示されたとしても、その事務所が遠く離れた地域にある場合は、お客さんは滅多に仕事を頼まないからです。
「仙台」の社長さんが「労務管理」で検索しても、上位表示されたホームページが「東京」の社労士事務所ばかりだったら、恐らくキーワードを変えて再検索するでしょう。そして、その再検索に利用するキーワードが「神戸 + 社労士事務所」なのです。「労務管理」で上位表示されなかったとしても、「仙台 + 社労士事務所」で上位表示されれば、地元の経営者がホームページにアクセスしてくれます。その結果、お仕事に繋がる可能性は高いわけです。
周辺地域のキーワード
さて、「仙台」に事務所を構える社労士さんの場合、実際のお客さんは仙台に限定されるわけではありません。
・石巻
・岩沼
といった近隣地域、場合によっては
・山形
・岩手
といった、他府県も対象地域に入るかもしれません。こうした場合、どこまでをSEO対象にするかが悩ましいところです。
人によっては、東北地区の全県+市町村という人もいますが、現実問題、全ての「市名」や「町名」に対策を打つのは大変です。また、仙台の社労士さんが、「山形」というキーワードで上位表示されるかというと、多分それも難しいでしょう。
というわけで、最初のうちは、地域キーワードとしては、
・事務所を構える市町村
・その周辺2~3の市町村
にキーワードを絞ることをお勧めします。山形、岩手、福島、宮城、といった広域キーワードを狙って失敗するよりは、地域を絞り込んで対策を打った方が効果が出やすいのです。