Ⅰ-1-3)失敗例⑤

制作会社とのやり取りがストレスで

神奈川県川崎市で歯科医院を経営するEさんは、医院の開業にあわせてホームページを開設しました。知人に紹介してもらったフリーのデザイナーにお願いして、初期費用40万円で高級感あふれる立派なホームページを作ってもらいました。

また毎月3万円を支払うと、一定の範囲まで更新を代行してくれるというサービスも、あわせて契約しました。

ところが、完成当初はとてもホームページに満足していたものの、最近ではホームページのことは考えるのが嫌になってしまいました。

それは担当者に更新の依頼をするのが、大変なストレスなためです。

毎月、更新費用として3万円を払っているのですが、更新の依頼をしても、すぐには対応してくれません。ほんのちょっとの修正だと思うのですが、すぐに「これは手間がかかるので10日ほど待ってください」という感じで修正に時間がかかります。

その上、10日後に修正されたホームページを見ると間違いだらけ。その間違いを一々細かく指摘しなければいけません。

しかもその修正にまた日数がかかってしまうのです。

細かい「てにをは」の修正を依頼するのも、毎回メールを書かなければいけませんし、そのチェックも面倒。チェックせずに確実に修正してくれればよいのですが、しょっちゅうミスをするので、確認しないと不安で仕方がありません。

また、電話をしてもつながりません。いつかけても留守番電話の上、折り返しの電話はいつも翌日以降。

更新の依頼をするのも面倒ですし、修正の依頼が反映されるまでに時間もかかるし、ミスも多いという状況がずっと続いています。

最近はどうもコミュニケーションがうまくいかず、細かい修正を依頼すると、露骨に面倒くさそうな態度を示すようになってきました。

そしてついにEさんは、だんだんとそのデザイナーに修正を依頼するのが億劫になってしまったのです。

今でも毎月3万円の更新費用を払ってはいるのですが、先方に依頼するのが不愉快なので、最近はあまりホームページの更新も行わず、放ったらかしの状態になっています。


ここにあげた失敗事例は、いずれも私が実際にご相談を受けたものばかりです。そしてこうした「ホームページが役に立たない」というお話が毎日のように弊社に寄せられます。

本書では、ホームページがなぜ役に立たないのか、成果に結びつかないのか、その理由を考えてみたいと思います。どうすればホームページを御社のビジネスに活用できるのか、そのヒントをご提供したいと考えています。

そして、ホームページを「早く・小さく始めて、大きく育てる」という考え方についてもお話ししたいと思います。

なるべく専門用語を使わずに、経営者の言葉でわかりやすくお伝えしていくつもりです。成果を出せるホームページを作るにはどうすればいいか、きっとご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までおつきあいください。