009オンラインストレージ

今回は、業務の効率化に貢献する「オンラインストレージ」について解説します。

◆オンラインストレージ活用法

では、オンラインストレージにはどのような活用法があるのでしょうか。

(1)ファイルの保管

ひとつめはファイルの保管です。どのサービスも、利用できる容量はかなり大きいので、たくさんのファ
イルを置いておけます。

サービスによっては、パソコン内の特定のフォルダに置いておけば自動的に保存してくれる機能もあります。

ひとつのパソコンの中だけでなく、別の場所にファイルを置いておけば、バックアップの役割も果たします。

パソコンを買い換えるというと、以前は「データの移動が面倒だな」と思ったものです。しかし、オンラインストレージを利用すれば、インターネット上に保管したデータを新しいパソコンにダウンロードすれば良く、パソコンの引越しは格段に簡単になりました。

(2)ファイルの共有

ふたつめはファイルの共有です。

オンラインストレージに置いておいたファイルには、インターネットさえあればどこからでもアクセスできます。

パソコンに限らず、タブレットやスマートフォンなど、さまざまなデバイスで使うことが可能です。

オンラインストレージにファイルを置いておけば、出張先で「あの見積書のデータを持ってくるのを忘れた!」ということはなくなります。

また、専用のリンクを教えれば、他の人ともファイルを共有できます。

USBメモリなどのメディアでデータを受け渡していたこれまでよりも、大容量データが多い業種では、スピード感あるやりとりが可能です。

(3)共同作業

オンラインストレージを利用すると、1つのファイルを複数の人で編集できます。

オンラインストレージには、共同作業を円滑にすすめるための機能が付いています。たとえば、それぞれの人のパソコンでファイルが同じ状態に保たれる「同期」などが良い例です。

会社のプロジェクトチームで一つの企画書を作り上げたい場合などに便利に使えます。

できあがったファイルをメールで送って、それを直して送り返してもらい、また直して送る・・ということを繰り返して書類を仕上げていたときに比べると、効率が格段に上がります。

◆安心して使うために

さて、このように便利なオンラインストレージですが、インターネット上にファイルを置いておくと聞くと、「情報漏えい」や「データ消去」
などのセキュリティ面が気になる方も多いと思います。

インターネット上のサーバーにデータを置いておく以上、100%安全ということはありません。

安心して使うために利用者として、最低限気をつけたほうがいい点は以下の通りです。

(1)見られて危険なものは保存しない

インターネットサービスのIDやパスワード、機密書類や社外秘のファイル、個人情報の一覧などは保存を避けるなど、保存のルールをあらかじめ決めておくことが大切です。

(2)オンラインストレージのみに保存することは避ける

消えてしまうと困るファイルはオンラインストレージだけでなく、手元のパソコン等にも保存しておきましょう。

(3)ログイン情報を安易すぎるものにしない

オンラインストレージを利用するには「ID」「パスワード」のログイン情報が必要です。

オンラインストレージに限りませんが、ログイン情報に安易すぎるパスワードをかけることは大変危険です。