Ⅰ-2-1) リースを提案する悪徳業者

ホームページ制作会社の中には、「リース」で制作費用の支払いを提案する会社が少なくありません。特に電話営業してくる制作会社にその傾向が強く、「月々わずか3万円ですから、広告費と思って試しにやってみましょうよ」と言葉たくみに提案してきます。

でも、月々の支払いは3万円かもしれませんが、5年契約だと総額は200万円近くになってしまいます。

もちろん何百万円かけても、そのホームページが商売につながり、その投資を回収できれば問題ないのですが、残念ながらそう上手くはいかないのがホームページ。

◇解約できないリース契約

「だったら途中で解約すればよいのでは?」と思うかもしれませんが、原則として、企業がビジネス目的で締結したリース契約は中途解約できません。また、いわゆる「クーリングオフ」制度も企業は対象外。もし中途解約をする場合は残債のほぼ全額を一括で支払わなければならないのです。

「リース契約のホームページがあるが、まったく役に立っていない」「リースで作ったホームページを解約したいが、解約できず困っている」というご相談を我々もよくいただきます。国会でも悪質なホームページ制作会社が問題になったことがあるくらい、リース契約の被害にあった方がたくさんいらっしゃるのです。

たしかにリースを取り扱う制作会社がすべて悪徳というわけではないと思います。でも電話営業リースのホームページ制作を提案してくる会社は要注意。本当に多くの方が被害にあっています。

上場している制作会社だからと言って油断はできません。こうしたリースの電話営業で急成長して上場したものの、お客さんから解約訴訟をおこされている問題企業がいくつもありますから、気をつけてください。

私も以前、リースを使った悪質なホームページを売りつけている上場制作会社のことをメルマガで取り上げたところ、さっそくその会社から警告文が送られてきました。その会社の顧問弁護士7名の連名でしたから、相当この問題にピリピリしていたんだろうと思います。

◇なぜリース契約は悪徳なのか

私がリースによるホームページ制作を嫌っているのは、多くの場合、分割払いで支払うホームページは高すぎるからです。

10万円や20万円でリースを組む人はいませんから、リースを組むのはたいてい、総額200万円とか300万円とかのホームページということになります。大企業ならともかく、多くの中小企業の場合、200万円のホームページというのはかなりの投資です。

ところで、儲かっている企業の場合、200万円だからと言っても別にリースを組む必要はありません。税金対策もありますから、即金、悪くても2~3回の分割払いで支払うと思います。

一方リースを組むのは、資金繰りの観点で毎月の支払いを抑えたい企業です。200万円を即金で支払うのではなく、毎月の支払いを2~3万円に抑えたいから、仕方なくリースを組んで契約するという状態なのです。

もしリースという支払い手段がなかったとすると、200万円のホームページ制作に躊躇する企業は多いと思います。200万円投資しても、すぐに商売に繋がるとは限らないわけですから、社長さんは投資対効果を慎重に検討することと思います。

でも「リースで支払えますよ」と言われた途端、急に脇が甘くなってしまうのです。

私は、ホームページへの投資は、「即金で払える範囲」にとどめるべきべきだと考えています。作ってみないと成果が出るかどうかわからないのがホームページですから、まずは手元資金の範囲内で「小さく」作った方がいいのです。そしてうまくいったら、追加投資を行って、そのホームページを「大きく育てていけばいいのです。

しかし悪徳業者は、最初から大きなホームページ」を作らせようとします。ホームページで成果が出せるとは思っていませんから、最初にたくさん巻き上げて後は知らんぷり、というのが悪徳業者の魂胆。

リース払いで月々の費用を小さく見せることで、高額なホームページを売りつけるというのが、彼らの常套手段なのです。

でもリースですから、中途解約はできません。たとえそのサービスに満足できなかったとしても、リースが満期を迎えるまでずっとその費用を支払い続けなければいけないのです。

◇リースはなるべく組まないで

というわけで、悪徳業者に引っかからないためにも、リースを組まずにホームページを作ることを強くお勧めします。リースを組まないと支払えないような高額なホームページを作るのは、止めておきましょう。

手元資金の範囲内で、まずは「小さく始める」というのが、ホームページ作成で失敗しないポイント。リースだからと言って、総額何百万円もするホームページには手を出さない方が良いのです。

御社の予算の範囲内で、成果を出せるホームページをきちんと仕上げてくれる、そんな良心的なホームページ制作会社を選ぶようにしましょう。